現金で不動産を購入する場合の注意点
融資を受けて家を購入する場合、購入物件の価値やHOA(管理組合)の経営状態などは融資会社によって審査されます。ところが現金で購入する場合は、これらの項目は買主自身がチェックしなければなりません。今回は現金購入の良い点と、注意したい点についてご説明します。
【良い点】
交渉力が高い:融資審査や不動産鑑定がないため、契約する可能性が高いという理由で他の買主との競争で交渉力を発揮できます。
経費が少ない:不動産購入の際の経費は通常、ほとんどが融資に関するもの。現金購入の場合の経費は限られており、主に以下の通りです。
・物件調査費用・・調査当日までに調査会社に支払います。
・エスクロー手数料・・第三者の立場で書類の確認や登録、権利保証の発行、経費の精算などを行う書類代行サービスにかかる費用です。売主と買主が同額払うことが定められています。
・日割り計算・・固定資産税や地域不課税、HOAの月々の費用などは正式契約日を基本として買主側の負担分が日割りで計算されます。
・登録費用・・譲渡書の登録費用です。
・災害保険・・コンドミニアムやタウンハウスなどの集合住宅では、HOAから保険加入が義務付けられています。近隣への賠償責任を問われるアメリカでは一戸建てでも保険には必ず入りましょう。
【注意したい点】
物件の将来性:融資審査に通らないような不動産を購入できますが、それだけに将来の資産価値のアップ率に関わってくるポイントには注意したいところです。例えば、居住用として購入しているオーナーの比率、ビルのコンディションやHOAの経営状態の良し悪しなどです。
売買契約の正当性:契約内容やその正当性については、オファーを作成したブローカーまたはエージェントから説明を受けてください。不動産鑑定が必要ないため、妥当な価格か否かの確認は自己責任です。
HOA関連書類の確認:HOAの経営状態や論争の有無、過去1年間のミーティング記録などについて、買主個人が確認する必要があります。